2018.06.29

京橋白木の取り組み

特集:OcciGabi Winery 02
ワインランド北海道の原点を訪ねて

北海道余市というと、NHK『マッサン』で一躍人気観光スポットとなったニッカウヰスキーを思い描く方も多いでしょう。それだけでなく余市は果物の産地であり、今後はワインの銘醸地となる場所なのです。その原点といわれるであろうOcciGabi Wineryを訪ねました。

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日本ワインの第一人者
落希一郎氏を訪ねて

2018年3月、雪のまだ深い北海道余市の『OcciGabi Winery』を、京橋白木の竹下茂雄が訪ねました。
オーナーでありワインメーカーである落希一郎氏が、余市にワイナリーを設立されたのは2012年と、最近のこと。ですが落氏がワイン造りに携わり始めたのは、まだ日本でワインがメジャーな飲み物ではなかったいまから50年も前のこと。大学を卒業後、20代半ばで西ドイツの国立ワイン学校に留学。アメリカのロバート・モンダヴィやオーパス・ワンなどに携わるワインメーカーと共に学び、ワインの知識と技術を身につけて、1977年に帰国。持ち帰った40のヨーロッパ系ワイン用ぶどう品種でワイン造りを始められました。最初は北海道の岩見沢と留萌の間にある浦臼町で、その後長野県北部に、さらに1991年から22年間は新潟県でワイナリーを経営。観光を組み入れたこの新潟のワイナリーは多くのメディアでも取り上げられ、現在も絶大な人気を誇っています。経営を行いつつ、後進の育成にも注力。落氏の技術と情熱を受け継いだワイナリーは日本の各地にあります。
落氏は、温暖化に対処しつつ、2012年に余市に転進。北海道を真のワインランドにすべくOcciGabi Wineryを拓かれたのです。

OcciGabi Wineryのオーナー、落希一郎氏

余市のランドマークとなる
美しい建築とそこから望む絶景

OcciGabi Wineryは、余市駅から車で15分ほど、小樽からは車で45分ほどの小高い土地にあります。高台に建てられたワイナリーとレストランの建物を囲むように、斜面にぶどう畑が造られています。落氏がこの土地で最初に行ったのは、土地の造成。日照時間や風の通り抜け方を考え、また景観に配慮して丘陵を切り崩して畑とし、OcciGabi Wineryの基礎を造ったのです。
高い天井と広い空間が印象的なワイナリーの建物は、コンサートも開催できる音響にもこだわった設計。光をふんだんに採り込む大きなガラスが使われ、とても明るく暖かい室内からはぶどう畑が見渡せます。収穫の時期は醸造の風景も見ることができるそう。
入ってすぐのホール部分から階段を降りると、製造現場に足を踏み入れることができます。今回は落氏のガイドで、OcciGabi Wineryのこだわりと情熱が凝縮されたワインが生み出される現場を案内していただけました。

たくさんのこだわりが詰まったOcciGabi Wineryの製造現場

こだわりの結晶とも言える
製造現場をじっくりと見学

地下の製造現場とカーヴには特注のステンレスタンクや、本場フランスから取り寄せられたオーク樽がずらりと並んでいます。まさに、壮観。その中には、ワイナリーを囲む畑で収穫されたシャルドネやピノといった多彩なぶどうで造られたワインが熟成されているのです。
Webサイトに「日本一のワインを目指して」とあるように、OcciGabi Wineryは真の「日本ワイン」を造り出すだけでなく、この地から日本ワインの地位を高め、北海道をワインランドにするための様々な取り組みを行われています。また、地元余市を盛り上げる町おこしやワイナリーでのコンサートなども主催。常に笑いが絶えない落氏のお話の中にも、しっかりと息づくそんな落氏のワインと地域への熱い想いを感じることができる濃密な時間となりました。
ワイナリーツアーの後は、ついに京橋白木の器とフレンチ、そしてOcciGabi Wineryのワインのコラボ。豪華な食事会です。

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