2018.05.14

テーブルデザイン事業

Utsuwa labとコラボ企画実施!
「雪の茅舎と和食と器のマリアージュ」

秋田県の蔵元『雪の茅舎』さんの試飲会にあわせて和食を盛り込むというコラボ企画。その様子をお届けします!

器の持つ個性×和食の化学反応

今回の企画が実現したのは、倭文智郎さんと京橋白木専務・竹下雷太の縁があったからこそ。実は二人は学生時代に同じ柔道部で汗を流したライバルであり親友。京都・山荘 京大和で修業を積み、今は飯田橋の「和彩 かくや」で料理長を務めている倭文さんが、ご自身のお店の開業を計画中ということで、Utsuwa labが協力することとなりました。イベントでは、お酒に合わせたお料理8品を、それぞれ個性が異なる器に盛り込む実験を行いました。
当日のお品書きは以下の通り。

先付 栗・柿・生湯葉 胡麻クリーム掛け
(左)桔梗型反小鉢 (右)ぎやまん4寸鉢 茄子紺

温物 海老芋とたら白子 かぶらあんかけ
(左)雪月花 丸京平大 (右)花割スゲ笠向付

造り めじまぐろ・鰤・真鯛 あしらい一式
(左)土物焼締 織部流片口向付 (右)粉打(黒)丸彫二方足長方皿

焼物 のどぐろ西京焼き わたりがに醤油漬け
(左)銀鈴長角皿 (右)マンガン銀彩19cm 八角プレート

箸休 子持ち鮎煮浸し 貝割菜昆布〆
(左)4寸六角花彫高台染付付如意頭紋 (右)ガラスボール5寸

追肴 川千鳥胡麻豆腐 香煎仕立て
(左)黄地錦十草四角小鉢 (右)花鳥彫平鉢カラ焼き

溜肴 あん肝照煮 大根含め煮
(左)白マット京鉢大 (右)織部重箱

食事 炙り棒寿司二種 かます・金目鯛 からすみ大根・赤出汁
(左)立渕15cm正角皿オリベ渕銀 (右)見込濃牡丹唐草彫6寸皿

作り手と使い手のこだわりの融合
それがお料理をよりおいしく演出します

倭文さんと「雪の茅舎」を造る斎彌酒造との打合せは、1年近く前からスタートしていました。日本酒のラインナップについて入念に話しこみながら、3ヶ月前から開催日の旬の野菜を採り入れた献立を考察。
「自然の植物は正直。正直に季節を受け入れ、感じさせてくれる。だからこそ、献立を作り上げることにこだわらないように、私もしっかりと季節を受け入れ、献立を作るようにしました」
と倭文さん。実は、以前は自ら畑に出て自然栽培で素材を造っていたという経験もお持ちで、食材へのこだわりは並々ならぬものがあるのです。

そんな倭文さんの思いに応えるように、雷太は「普段とは違う器に盛りこむことで料理人にイメージを膨らませ、いろいろと試してもらえたらと、テイストの違う器を用意しました。また、独立を考えているタイミングということで、どんな器ならお料理がより引き立つか、どんな見え方になるのかを感じてもらいたかった。同じ料理を違う器に盛りこんでもらうことで、倭文さんの器へのイメージを良い意味で変えることができたと思います」と話します。

個人の好みで器選びをすると、どうしても同じテイストのものに偏りがち。そうすると、盛り込んだときにイメージと違ってしまうことも。今回はショールームで選んだ好みと違う器も使い「京橋白木に器を協賛していただけたことで、やはり料理は器あってのものだと再認識できた」と倭文さんから好評をいただけました。

私たちも作り手と使い手が手間をかけて作ったものが合わさった瞬間を、普段とは違う立場で見られ、「器次第で料理はよりおいしく感じてもらえる」ということを再実感する機会にもなりました。今後もこういったイベントに積極的にご協力し、飲食店における「料理に合った器選び」の重要性を広めていきたいと思っています。