2018.10.11

飲食店開業支援

社長インタビューVol.1
㈱ウエストフードプランニング
代表取締役 小西啓介さん 後編

後編では、大復活からの海外進出についてや、小西社長と勤続5年のパート社員の濱田さんも一緒に、ウエストフードプランニングの今と未来についてうかがいました。

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㈱ウェストフードプランニング 代表取締役 小西啓介さん(右) パート社員の濱田さん(左)

 前回は、独立からターニングポイントとなった時のお話をしていただきました。そこから大復活を遂げられて、2013年には海外にも進出されたんですよね。今回はまずそのお話をお聞かせください。

小西 そうです。海外進出は2013年に台湾に1店舗、翌年の2014年からは、マレーシアに4店舗、出店しましたね。ただ、経営的には成功とは言えないかも知れません。

その国々での商売の考え方、意思疎通がうまくできないことに困惑しました。

しかし一旦、外に出た事で国内での事業の考え方の幅がひろがったし、自分も含めてスタッフも海外進出をしたことで自信をもてるようになりました。こんな香川のうどん屋でも海外で求められてる、世界で戦えるんだと。

 海外と日本での飲食に対する考え方のギャップみたいなものは感じましたか?

小西 飲食をビジネスと捉えている考え方は、日本よりも強く感じたし、新鮮でした。

ロンドンに視察でいったときのこと、ZUMAという炉端焼をコンセプトにした和食レストランに行ったんですが、正直最初はちょっと軽く見てたんです。どうせ海外でよくあるエセ和食だろう、と。

でも、料理もちゃんとしてるし、なによりスタッフみんなが、笑顔で楽しそうに働いてた事に衝撃を受けた。やらされている感なく、とにかく楽しい!って感覚がすごく伝わってきたね。
丁寧さ、繊細さは日本が上だけど、店舗に対する投資、それから料理とスタッフの接客におけるエンターテイメント性。
働きかたとしての外食はあちらが上だと思ったし、これは負けたくないと思ったね~。

 楽しい!と思える働き方って大切ですよね。働き方といえば、ウエストフードプランニングさんでは、独立希望制度があるとおうかがいしたのですが、どんな制度でどのような方が成功されているのか教えてください。

小西 この制度は、簡単に言えばチャレンジする人を応援する制度。おもろいと思う仕事を、家族や仲間と共有して頑張りたい!と思う人に利用して欲しいし、共に成長できる関係性が出来たらいいなと思います。
ただ、どれだけ能力が高くても、経営のプレッシャーに負けると失敗する。
一番大切なのは素直さ。素直じゃないと周りやパートさんの意見、声が聞けなくなります。成功するやつは仲間が力を貸してくれるんですよ。みんなが応援してくれるやつは大体成功してると思います。ーそうなんですね。やはり現場の空気感って大切ですよね。ここで、現場で働くパート社員の濱田さんにも、ぜひ、お話をおうかがいいしたいのですが、お仕事で一番楽しいこと、つらいことをおしえてください。

濱田 はい。こんにちは。
そうですね。私は、約5年前に友達からのお誘いで、こだわり麺やに入社し、 坂出川津店でお世話になっています。
楽しい事といえば、常連さんから「いつものちょうだい!」とオーダーしてくださったりすると嬉しいですし、「ぬるめ、ちょうだい」とか、ご自身の好みをオーダーしてくださることも、信頼してくださってるんだな、とやりがいにつながっていますね。

小西 彼女は「渡し」といって、オーダーを受けから提供までを担う、いわば主役のポジションを担当してもらってるんですよ。

濱田 主役ではないですよ(笑)でも、確かにお客様と接する時間は、他の担当の方より長いかもしれないですね。始めは接客が苦手で緊張してつらい時期もありましたが、店長のサポートや、「昨日、おやすみやったんやね~」とお客様から顔を覚えてくださることで、接客にも慣れることができました。

小西 お客様との垣根がよい意味で低くなった事で、お子さんが帰省される時は、必ず来てくださったり、「バイトするんやったら麺や、やで!」と、家族ぐるみでアルバイトしてくれている親子もいるくらいで、地域における、職でのインフラ的な存在になれていることは、大きな変化やね。

濱田 あとは、勤続年数が長い方が多いですね。高校卒業したら「こだわり麺やで働きたい!」と言ってくれる学生さんもいたりで。

ー そうなんですね。そんなアットホームな雰囲気な中ですが、お店に対して何か要望ってありますか?

濱田 そうですねー。要望というようりは、今の現状なんですけど、小さな意見でも聞いてくれたり、シフトや、細かいフォローがあると嬉しいですね。私は、子供がいるので、特にシフトや時間に気を配っていただけている事は、働くうえで本当に助かっています。

 それを受けて、小西社長、飲食で働くヒトへのメッセージをお願いします。

小西 飲食は小が大に勝てる数少ないビジネスなんです。小売店なんかの流通業だったら大きな資本に勝てないけど飲食だったら輝く個人商店が大企業に勝てると思うからね。これは、働くヒトにとっても、めちゃくちゃいい仕事、ヒトとして絶対に成長できるし、チームワークの勉強にもなる。とにかく、楽しく働いてほしいですね。

2018年8月8日オープンした新業態の天丼あさ山

 ありがとうございます。最後に20周年を迎えて、改めてこれからのビジョンをおきかせください。

小西 まず、店舗は究極の個人商店を、会社は究極の組織化したものを目指します。新業態にもチャレンジしたいし、店長の負担をなくすe-ラーニングでの社員教育システムも整えます。やりたいことはたくさんあって(笑)

香川ってインバウンドのリピート率が全国で一位なんです。海外の方の宿泊者も5年前に比べて10.5倍に膨らんでいる。観光やモノの消費だけでなく、活用されていない資産、例えば限界集落の学校などを活用してグランピング、農泊などたくさんのコトを消費をしてほしいと思ってます。これは多くの企業やヒトの協力が必要なので官民一体で街づくりをしかけていきたい。
ツールド瀬戸内とか面白そうでしょ(笑)
これからも食を通じて、心も身体も満たされる食文化の創造に挑戦していきたいです。

これぞ香川県の「うどん文化」をライフスタイルに溶け込ませる形で、沢山のアイディアをお話しいただく小西社長の瞳はまるで少年のようで、食文化と様々なコンテンツを融合していく多彩なクリエイティブ感覚と、人情味あるお人柄こそが最大の魅力だなと感じました。今回は働く人と社長インタビューの形式でお送りしましたが、お互いの想いや気持ちを再確認する機会ともなり、私もウエストフードプランニングさんの一員になったような気持ちになり、チャレンジすることの大切さを学びました。今から、どんな驚きを感じさせてくださるのか?今後の展開が楽しみでなりません。

【会社情報】
株式会社ウエストフードプランニング
http://www.westfoodplanning.com/
本社所在地香川県丸亀市田村町1243-1
TEL.0877-21-2580 / FAX.0877-21-2581
営業時間9:00〜17:00 / 定休日 毎月・第3水曜日